弊ロドスに関しまして。

アークナイツ。月パス。月スカ勢の活動記録

狼狽

 どうゆうことだ…
 モニターに浮かび上がる文字に理解が追いつかない。
 14日から「喧噪の掟」が復刻されるらしい。いや、復刻されるのだ。期間は24日まで。
 ということは、危機契約は28日からなのだろうか。
 これは嬉しい誤算であった。虚無期間無しで喩え復刻であったもイベントが開催されるのは完全に予想外であった。
 ということは。
”喧噪の掟”は弊ロドスの創業前に実施されていたイベントである。なので実質、純正源石が手に入るチャンスなのである。
 情報部の宗方部長と人材部の御堂部長を執務室に呼び出した。
 情報部は独自のルートを通じてイベントや新オペレーターの情報を収集する部門である。かたや人材部はオペレーターの採用を担当している部門である。
 ほどなくして、両部長が執務室に顔をだした。両部長、すでに復刻イベント開催の報せは受けていた。
「どう思う?」単調直入に訊く。
「全くの予想外でした」と宗方部長は頭を掻きながら言う。危機契約の前になんらかのイベントが実施されるのでは?との見方もあったらしいが、昨日の危機契約の発表以降、その後の情報は途絶えていたらしい。
「それは不甲斐ないですわねぇ」御堂部長が宗方部長を詰る。
 さらに「私たち人材部は貴方がた情報部の情報が頼りなのですのよ。情報がなければ私たちは、どの人材を採用したら良いのか判断ができませんわ」と続ける。
 御堂部長は弊ロドス唯一の女性の部長である。職員やオペレーターに女性は多いものの、管理職はまだ男性が多かった。そんななかで女性で部長にまで昇進した御堂部長は度胸が据わっている女性であった。
「やめないか、御堂部長。今回の件は情報部には落ち度はない。私も全く予想が出来ていなかった。して、人材部は今後の新オペレーターの情報は何か掴んでいるのか?」
「まあ、全く掴んでいないというのは虚偽になってしまいますが、まだ、報告するほどの確度を得られていないというのが正直なところですわ」
 意味ありげな物言い。だが、彼女がハッキリと言わないというのは、そうゆうことなのだろう。
「承知した。では、もう少し状況に目を光らせておいてくれ。今週はまだ何か動きがありそうだからな」
「承知しました」
 両部長の声が揃う。そして、私は意識は思考の海を彷徨い始める。
 危機契約は5月下旬の開催である。そして、その前に復刻イベントの開催。
 危機契約までに残された期間は、恐らく半月程度であろう。
 危機契約での活躍が見込まれるオペレーターの育成が急務であることは火を見るよりも明らか。となると、”誰を育てるべき”なのかが問題となってくる。
 テンニンカ、グラベルあたりは昇進2にしたいところだ。テンニンカはS1を特化3にするべきであろう。これは、一週間もあれば十分に可能だし、育成コスト的にも負担は少ない。
 新たに★6オペレーターを育成すべきか?
 昇進2にしていない★6は、シャイニング、イフリーターとアの3名のみ。シャイニングは昇進2にしても不思議ではない。
 いや、たしかにそれは必要かもしれないが、育成コストと釣り合うのか?
 この期に及んで腰が引けてしまう自分がいる。
 だめだ。冷静に。冷静に考えなくてはならない。すくなくとも無料チケットで★6を引く可能性はゼロではないのだ。
 危機契約にむけて私の経営手腕が試されている。