挑戦
出来るものだな…
私は一人呟く。
まあ、このあたりが潮時でしょうねと藤堂部長は弱気な声を出す。
多少の配置見直しはあったものの、基本的なチャートは旧約20等級のものを踏襲し、21等級をクリアしたのだが、22等級まは厳しそうである。
「これに術師をしたら間違い無くマドロックは耐えきれないでしょうね。あとは敵のHPを増やしたりなんなりでも耐えられるかどうか」
湊課長も藤堂部長と同意見のようである。弊ロドスの”良識派”の意見は弱気であったが”過激派”は納得いかない様子である。
「まだ諦めるにははええ。せめて22等級。あと1等級はいけるはずや」と添島部長が息巻くと「そのとおりですよ。まだまだ行けますよ。諦めるなんて早すぎです」と北濱係長も追随した。
たしかに諦めるにはまだ早い。
あと5日は残されているのである。
幸いなことにデイリーはここまで殆ど苦戦せずにクリア出来ている。恒常ステージの指定契約も全てクリア済みである。
残された期間、恒常ステージの攻略に時間を費やせば、糸口は掴めるのかも知れない。
「歳はとりたくないものだな。藤堂部長」
私の言葉に藤堂部長は苦笑いする。
「承知した。当然、まだ諦めるには早すぎる。恒常ステージ22等級攻略に向けて全力をあげるぞ!」
私の檄にオペレーションルームが湧く。
あと一手。あと一手届けば22等級が現実になりそうではある。
試行錯誤に日々はまだ続きそうである。