矜恃
どこの部署にも譲れないものがある。
それは「矜恃」と呼ばれるものであり、その「矜恃」にかけて業務を全うするものである。
昨日、弊ロドスでは純正源石の枯渇が浮き彫りとなっていた。
このままでは経営自体が危ういというのだ。
私も会社を預かる立場として事業の拡大と事業の持続を天秤にかけられると、どうしても事業の拡大を選択することは躊躇われる。
だがしかし、弊ロドスが目標と掲げている危機契約の初週18等級クリアの為に、今は全力を尽くさねばならないのも事実なのだ。
この苦しい状況で攻略部は自らの「矜恃」にかけて、困難な事業に取り組み成果を上げてくれた。
瞬く間に純正源石3個獲得してきたのだ。
恐らく添島部長の手腕によるものであろう。弊ロドスの若手では、ここまで短期間で成果を上げることは出来ないはず。普段の態度や口うるさいところは、自らの業務に関する責任感と自信の裏付けによるものだと痛感した。
「添島部長にあとでお礼を伝えないと…だな」
私の脳裏には「そんなもんいらねぇよ」とお礼の品の受け取りを拒否する添島部長の姿が浮かびあがる。仕方ない。でも、成果をあげた部下を労うのは私の矜恃なのである。