成果と後悔
「どうだった?」
私は御堂部長に今日の報告を催促した。スカウトはとっくに終わっている筈なのに報告が遅れていたからだ。ただ、大体、報告が遅いということは何か裏がある筈である。私はその心配を気取られないよう、そっけなく訊いたのであった。
「ええ。これから報告に伺うところでした」
少し声に自信のなさを感じる。やはり良くないことがあったのだろう。
「2枚とも引けなかったのか?」
私は堪えきれずに核心を御堂部長に尋ねる。しかし、御堂部長の返答は予想外のものであった。
「いえ。2枚とも引けましたし、単発ではワイフーも引けました」
「何連で?」
「ええ。それが申し上げにくいのですが、13連で先程、報告させていただいたオペレーターは引けています。ですが……」
「ですが? 何があったのかね?」
「お気づきかもしれませんが★4のビーンストークが引けていませんでした。★4ですので数枚で引けると判断し、単発で何枚か引いたのですが……」
引けなかった。らしい。
単発で引けると信じ、単発で15連ほど引いてしまっていたらしい。流石に残りの合成玉が気になったので、そこで撤退したのだが、結果として追加で引いた15連分は”無駄”終わったらしい。
「まあ、仕方あるまい。そもそも30連で引けるかどうかも怪しいものを結果として30連以内で目当ての★6と★5を引けたのだから、弊ロドスにとっては大きな前線だ」
「そういっていただけると助かります」
御堂部長は、消え入りそうな声でそう答えると私の執務室をあとにした。
だが、アルケットは大望の★6単体狙撃である。性能も割と素直なので扱いやすいだろう。
アイリスは★5単体術師。攻撃力の高さが売りだが、かなりクセが強うそうである。しかし、弊ロドスでは高威力な単体術師が不在であったので、アイリスには期待をしているのである。
「まずはアルケットを育成して、その次にアイリスか。ワイフーも気になるし、先日のガチャで引いていたソラも気になるところ。余裕が出てきたら育成を検討してみるか」
私は独り言を呟いた。
危機契約#4がすぐそこに迫っているような気がしていた。