虚無無
BH-8強襲。今回のイベントの最終ステージ。
同時配置数のマイナスは大変だったが一人一人の役割を明確にし、最小限の人数で挑む…というのが解法なのだろう。
気がついてしまえば、割とすんなりとクリアできたが、試行錯誤の回数はBH-7強襲とそれほど変わらなかったかもしれない。
「これで終わりか」
安堵の溜息。これで保留となっていたアイリスの育成にリソースが割けると思ったのも束の間、公式から衝撃の発表が舞い込んできた。
13日(火)から危機契約#4が行われるとのこと。今回のイベントが13日に終わるので、間を空けずに危機契約が始まることになる。
今回のイベントも虚無期間を挟まず、すぐに開始されていたが、まさか2回続けて、虚無期間なしで次のイベントを始めることになるとは予想だにしていなかったことである。
「アイリスの育成はどうしますか?」
心配そうな顔の喜多村部長。それはそうだろう。アイリスは確かに面白いオペレーターではあるが、危機契約で活躍が見込めるかと問われれば、なかなか評価が難しいところである。このまま当初の予定通りアイリスを昇進2にするか、それとも別のことを行うか……
「ちょっと待ってくれないか。情報を整理して考えたい」
私は喜多村部長に保留にするように伝えた。たしかに重要な局面ではあるが、情報が少なすぎる。私は弊ロドスに所属しているオペレーターにリストをモニターに表示させる。
「このなかにアンサーがあるのか?」
誰を育成すべきなのか……
この判断はきっと重要な局面になるはずである。
私は目を閉じて過去の危機契約での先頭を脳裏に浮かび上がらせる。
「そうか。その手があるかも知れないな」
決めた。私の次の一手。
それは……