弊ロドスに関しまして。

アークナイツ。月パス。月スカ勢の活動記録

平穏

 弊ロドスに再び平穏が訪れていた。
 MB-EX-8 強襲のステージをクリアしたことで、再び、素材周回の日々に戻っていたためだ。
 しかし。
 本日は少し様子が違っていた。
「マウンテンの特化を優先する」
 私は朝の幹部会でそう告げると、会議室が静まりかえった。
 セオリーではイベント期間中に最も優先しなければならないことは素材周回である。通常ステージより効率の良いイベントステージで素材を回収することは、のちの効率に響いてくる。
 だが、そんなセオリーをかなぐり捨てマウンテンの特化を優先するのだ。
 反論はなかった。
 そうだろう。幹部も理由は重々承知の筈である。
 危機契約#4開催。公式から7月中旬に開催が発表されている以上、悠長に構えている場合ではない。少しでも戦力を増強すべく、ほぼ唯一に近い増強ポイントであるマウンテンの強化を最優先することは、幹部のなかでは共通認識といっても過言ではなかった。
 よって、今日はイベントステージの周回を行っていなかった。
 S2特化3の素材をひたすら集めていた。
「やっと終わりました」と喜多村部長より報告があったのは21:00を過ぎていた。
「ご苦労。今日は皆にゆっくりと休むように伝えてくれ」
 短いやりとり。
 いつものことながらスキルの特化の度に残業が強いられる人材育成部は重労働に違いない。しかも、イベントステージクリアの手柄は攻略部に取られるのである。人材育成部の日々の努力の延長に攻略部の成果があるといっても過言ではない。
「今度、添島部長にも言っておくか」
 私はあの分からず屋の部長の顔を思い出す。
 きっと、そんなことは百も承知であろう。
 私は人材育成部が退社するのを確認し、社屋を後にした。